紙の提案
当社は印刷物の機能性を高め、デザインを引き立てるとともに、意味やストーリー性を持たせるために最適な用紙・素材とその印刷、加工方法を提案しています。
印刷用紙の選び方、3つのポイント
- 品種
- 厚さ
- 色味
(白いか、色物か)
- 品種
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印刷で使用されている用紙の種類で代表的なものは次の3つです。
- コート紙
- マットコート紙
- 上質紙
- コート紙
- 上質紙などの表面に塗料をコーティングした用紙です。塗料には白色の鉱物性顔料とデンプンなどの接着剤などが含まれており、紙に光沢や平滑性、印刷適性を与えます。コート紙はポスター、パンフレット、冊子の表紙、チラシ、カードなど、様々な印刷物に使用されています。
- 【使用例・・・ポスター、パンフレット、チラシ等】
- マットコート紙
- コート紙と同様に表面に塗料をコーティングしていますが、表面加工の際に紙にかける圧力を弱め、紙表面の艶を消すことで「高級感」「落ち着いた風合い」を与えます。紙面の反射が少ないことで「文字が読みやすく」「目に優しく」、その可読性がパンフレットやカレンダーに好まれ使われています。
- 【使用例・・・パンフレット、カレンダー等】
- 上質紙
- 化学パルプ100%で作られた、表面にコーティングを施していない紙です。白色度が高く平滑で筆記性に優れています。文字中心の冊子や、ボールペンや鉛筆で書き込みをしたい印刷物に適しています。
- 【使用例・・・はがき、アンケート、冊子等】
以上、コート紙、マットコート紙、上質紙が代表的な印刷用紙ですが、更にコート紙よりも厚く、じょうぶで、インクのノリが良いため、写真やイラストを印刷するのに適したコートカード紙、厚紙の一種で、表面に塗工を施し、印刷性を向上させたうえで、主に紙箱の製造に使用されるコートボール紙があります。
- 厚さ
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紙の厚さは一般的にはg/㎡(坪量、つぼりょう)で表します。これは1㎡当たりの1枚の紙の重さです。また紙を1,000枚重ねたときの重さ(連量、れんりょう)でも表します。例えば1連90kgの紙であれば1,000枚の重さが90kgです。同じ種類の印刷用紙の1連90kgのものと1連135kgのものを比べると、135kgの方が厚くなります。目安として、一般的なコピー用紙は70kgです(但しメーカーによって異なる場合があります)。ポスターに使う紙は135㎏、新聞折込やポスト投函に使うチラシは70kgから90㎏、やや厚みのあるチラシで110kgです。
- 色味(白いか、色物か)
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紙の「白さ」を意識することはあまりないかもしれませんが、印刷物の仕上がりに関わる大事な要素です。例えば再生紙は通常の紙と比べてややくすんでいる場合があります。これは製造時に、紙の原料である木材パルプ以外に古紙などのリサイクル原料を混ぜることで白色度に影響がでるためです。その他、非木材の原料で作る紙なども通常の紙色と比べてほんの少し黄味がかった白色(生成り色)をしていることがあります。
エコペーパーについて
紙の原料が木材であることから、紙を使う=環境破壊につながるといったイメージを持たれることが少なくありません。しかし木は植林することで再生可能な優れた資源であり、成長の過程で二酸化炭素を吸収してくれます。
SDGsに取り組む企業の中で知られているのがFSC®森林認証紙です。適切な森林管理をしている森林からの生産品であることを示すFSC®森林認証マークの付与された印刷物を色々なところで目にする機会が増えてきています。加えて最近ではFSC®認証をベースに、更に環境配慮をプラスしたオリジナリティのあるエコペーパーが増える一方、リサイクル資源や非木材を利用した紙にも注目が集まっています。その中から、竹紙(バンブーペーパー)、kome-kami(米紙)、エコ間伐紙N、シードペーパー®を紹介いたします。
- 竹紙(バンブーペーパー)
- 国産の「竹」を原料とした紙です。茶色い風合いの「ナチュラル」とやわらかな白さを感じる「ホワイト」の2種類があります。現在、日本各地でたけのこ栽培などのために植えられた竹が放置され周囲に広がり、周辺の生物多様性が失われたり、竹が倒れたりといった問題が起こっています。竹林の多い鹿児島県薩摩川内市に工場を持つ中越パルプ工業株式会社では、この放置竹林問題を受け、国産竹の有効利用を検討し、2009年より国産竹100%の竹紙の製造販売を開始。現在では同社だけで国内の竹材生産量の約半分を消費するまでになっています。
- 竹紙100(中越パルプ工業株式会社様Webサイト)
- kome-kami(米紙)
- フードロスの削減を目指し、廃棄されるお米をアップサイクルして製造した紙素材です。企業や自治体で有償廃棄される災害用備蓄食品のお米や、加工・流通段階で発生する非食用米をパルプに配合しており、素材の売上の1%をフードバンクに寄付することで、フードロス問題の解決を目標としています。紙そのもののもつ豊かな風合いにお米の質感が加わり、ラフでありつつもしっとりとした、相反する表面を実現しています。また紙色は艶やかなお米を思わせるナチュラルな白さです。ずっと触っていたくなる独特な質感で、印刷性にも優れているのが特徴です。
- kome-kami公式商品ページ(株式会社ペーパル様)
- エコ間伐紙N
- 間伐は、森林の健全な成長を促すために木を伐採し、十分な日当たりが確保できるようにする大切な作業です。エコ間伐紙Nは、森林の健全な育成のために伐採された「間伐材」を利用した、木のぬくもりのある非塗工紙です。国産の間伐材クレジットパルプを10%以上、古紙パルプを30%以上、配合しています。
- エコ間伐紙N(平和紙業株式会社様Webサイト)
- シードペーパー®
- 紙ゴミとなった古紙を再生し、様々なお花の種やハーブの種を漉きこんだ、古紙100%の環境にやさしいリサイクルペーパーです。ひと晩水につけて土に埋めると数日で発芽し、紙の部分は徐々に分解され、数ヶ月で土に還ります。
※シードペーパー®はSOUP Inc.の登録商標です。 - シードペーパーWebサイト(有限会社SOUP様)